カジノは、賭けゲーム以外にも様々な楽しみを提供してくれる場所です。アートギャラリーが併設されているカジノもあります。有名な絵画などの芸術作品が展示されていることすらあり、それを鑑賞するためのツアーが組まれていることもあります。

いくつか定説となっているカジノによる顧客の囲い込みの手法 (その中にはラドブロークス社がまとめた「カジノに関する誤解」についての書籍で触れられているように、完全なデマもあります!) がありますが、その内の1つは、国際的に有名なカジノでは、展示されている美しい芸術品を容易に入手可能だというものです。もし、ギャンブルを楽しんだ上で興味深い芸術作品も鑑賞なさりたいのであれば、以下のカジノをお勧めします。

ラスベガスのベラージオ

アート作品収集で最も知られているカジノはラスベガスのベラージオです。美術作品のギャラリーが併設されています。「ピカソ: 被造物と創造性」、「ウォーホール・アウト・ウエスト」、「古典的現代美術: リヒテンシュタインとウォーホールと彼らの時代のアーティストたち」といった展覧会がこれまでに開催されてきました。世界的レベルの魅力的なアーティストたちによる作品を一般向けに展示している最高の展覧会場です!

ベラージオのギャラリーにおける最近の展覧会では、ヴァン・ゴッホやモネ、ルノワール、トゥールーズ=ロートレックなどの諸作品を初めとする世界的に有名な名画が展示されました。チフーリ作の「フィオリ・ディ・コモ」はベラージオで見るこのとの出来る最もよく知られた彫刻の1つです。この作品の美しく咲き誇る花々のイメージは、チフーリの名声と人気を高める上で決定的な役割を果たしました。アート作品の展覧会を行うカジノとして、ベラージオは高い知名度を誇っています。そして昨今では、ベラージオだけではなく、他のカジノでも展覧会の開催やアート作品の展示など、ギャンブルとアートといった異分野間の融合の試みが見られるようになってきました。

工芸品

カジノが保有している信じ難いほど素晴らしい工芸品も見逃せません。こうしたものを展示しているカジノでは、工芸品は顧客を魅了するための芸術作品とみなされています。カジノによっては、館内での展示用に骨董品を収集してる所もあります。

一部のカジノでは、歴史的な遺物を芸術品として取り扱っています。ルクソールの「タイタニックの遺品」が良い例です。この展示では、沈没してしまったタイタニック号の豪華な様子の再現が試みられ、その残骸から回収された約250もの特徴的な遺物にスポットライトが当てられています。こうした展示物をアート作品とみなすことに違和感を持つ方がおられるのも当然ですが、ベラージオが美術作品のギャラリーを設けたのと同様に、ルクソールも自社ブランド確立と顧客満足度の向上のために、展示場を設置し、成果を収めたのです。

ウィン・カジノ

カジノでのアート作品の展示を考えるにあたって、重要な点があります。それは、そうした取り組みが必ずしも成功するとは限らないということです。ベネチアンにはグッゲンハイム・エルミタージュ美術館がありましたが、カジノ来場客の興味を十分に惹きつけるに至らず、閉館しました。

ウィン・ギャラリーも2009年に閉館し、現在はその場所にロレックス販売店があります。とは言え、ウィンの創業者だったスティーブ・ウィン氏は、美術作品の展示自体は諦めませんでした。ギャラリー閉館後、ウィン氏は所蔵・展示されていた自らの美術品コレクションをカジノが併設されているホテルの各所にも展示することにしたのです。

現在、ウィン・カジノでは、デビッド・ギデラ作の「タイタンをなだめようと」や「マーキュリー・アセンディング・アゾ」、ステファン・ワイス作のブロンズ製の馬と靴の彫刻作品、ギュスターブ・エッフェル作の木製シャンデリア、ティム・バヴィンドン作の絵画「フル・ファザム・ファイブ」、ビオラ・フレイ作の磁器製オブジェクトなどが、そこかしこで展示されています。

カジノ業界全体としては、現時点では、施設を用意してアカデミックな常設展示を行うのではなく、来場客の興味を惹くために、テーマを決めた展覧会を期間限定で開催することで、カジノとアートとの融合を図っていく方向にあることが窺えます。